『サンキュー・スモーキング』
さて、「サンキュー・スモーキング」。おもしろかった。世間の常識を風刺した、知的コメディー。内容は、ヒステリックなまでの反喫煙(タバコ)キャンペーン。魔女狩りに近い状態。そん中で、全米で1日1200人殺すという嫌われ者のタバコ業界の「顔」として、反喫煙派の議員や市民団体などの執拗な抗議に、巧みな話術を武器に、マスコミなどで堂々と渡り合い、「情報操作の王」として奮闘する男(アーロン・エッカート)のお話。アルコール業界のPRマン、銃器業界のPRマンなどの「死の商人」の広報担当者との連帯や、パッケージに髑髏マークを義務づけを狙う、弱小州出身の議員(W・H.メイシーがいい味だしていた)との対決。スキャンダルに、脅しなどの難局を乗り越えていく様子が、テンポのよい、コメディータッチで描かれます。
ディベートですね。ディスカッションとは違う。正論云々でなく、また相手を屈伏させる(主張返させる)というよりも、その過程で、いかに第三者(視聴者)を取り込み、味方にして、世論を造っていくのか。このプロセスがおもしろいし、健康へのヒステリックなまでの世間の風刺が効いていた。反喫煙派のぼくも、思わず彼を応援したくなるのでした…。いや、してられました。
| 固定リンク
「映画(アメリカ・その他)」カテゴリの記事
- 『サマー・オブ・ソウル』~あるいは革命がテレビで放送されなかった時~(2021.10.01)
- 映画『ライトハウス』(2021.07.24)
- 『FREE SOLO』(2020.06.23)
- 今年も206本(2019.12.31)
- 『草間彌生 ∞ infinity』(2019.12.30)
コメント