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『三池』~終わられない炭鉱(やま)の物語

 今日は、朝から、司法書士事務所と、京都府庁の文教課宗教係に、登記簿謄本を提出に出かけた。自転車で、府庁まで35分程度。自転車で走ると、ハリストス正教会、聖アグネス教会、丸太町教会と、いくつか大きな教会が目に留まった。京都といえば、社寺仏閣と相場は決まっているけれど、案外、教会にもステキな建物が多いようだ。禁門の変で有名な御所の蛤御門を経由して、府庁へ。文教課宗教係での手続きは、ほんの2、3分で、あっけなく終了。四条烏丸の京都シネマに寄って、ドキュメンタリー映画「三池~終わられない炭鉱の物語~」を観ることにした。

Miike_01  冒頭、教育映画のように、炭鉱の歴史をレクチャーするところから始まった。監督自らが登場し、この映画にかける思いを語りかけていく。この始まり方。いくらドキュメンタリーとはいえ、教育時で、しかも作り手の思いがストレートにすぎて、ちょっと不安な感じになったけれど、まあ、それは最初だけ。炭鉱に活きた人達のナマの声を聞くうちに、その知られざる歴史に、グングンと引きこまれた。

 福岡県大牟田市を中心に、有明海と熊本県荒尾市にまたがる、日本最大の規模を誇った三池炭鉱。150年以上の歴史も、1997年3月30日、時代の波によって閉山。江戸時代に始まり、明治の日本近代化の象徴として、また戦中は国策のエネルギー源として、さらには戦後と、日本の復興にと、現代の経済大国日本の原点としての誇るべき遺産であるべきものだが、しかし、現実は、その歴史が「負の遺産」だと言われる。人権を無視した囚人労働、朝鮮半島、さらに中国、そして捕虜などの強制連行の歴史。そして戦後は、国のエネルギー政策の変更(石炭から石油)による合理化から、三池争議という、まさに「総労働 対 総資本」が激突した。結局、現実の生活のために組合が分裂し、山に活きる人々のこころに大きな傷跡を残こすことになった。さらには、500名近くが亡くなり、800名以上が、生涯の後遺症に悩まされることになる大規模な炭じん爆発事故…。過酷な労働を引き受け、誇り高くやまに生きた男と女たちの証言をつづりながら、負の遺産と正面から向き合いあうことで、それを過去に閉じ込めるのではなく、未来へとつなげていこうという前向きなメッセージを感じさせる映画だった。それにしても、40数年前におこった三池争議と、爆発事故による、CO中毒患者の(見た目は障害がないのに、人格が変容したり、暴力的になったり、記憶が途切れている姿は、痛々しい)被害などは、当事者が生存しているだけに、生々しく訴えてくる。いま、日本の繁栄の影になにがあったのか、近代化を邁進した日本の一断面を切り取って示す作品だった。

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