アニタ・オデイ
新聞の訃報欄に、アニタ・オデイ(Anita O'Day)の逝去の記事があった。87歳。女性ジャズボーカルの歴史的巨星といえば、ビリー・ホリディに、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、そして、カーメン・マクレエというのが、定番中の定番。これに、白人女性ジャズ・ポーカリストを加えるとすると、ミルドレット・ベイリーと、このアニタ・オデイなどが、女性ボーカルの巨星と称される歌姫である。もっとも、みんな鬼籍に入ってしまった。
といわけで、今日は朝から、華光誌の作業でパソコンに向かいながら、BGMはアニタ三昧である。52~60年代の録音だから、もう50年以上も前のものが中心。ぼくのもっているアニタは、歴史的名プロデューサーのノーマン・グランツによる、Verve(ヴアーブ)時代のものばかり。それでも10枚ほどはある。最高傑作の呼び声も高い「ジス・イズ・アニタ」や、「ピック・ユアセルフ・アップ・ウィズ・アニタ・オデイ」、そして「アニタ・オデイ・シングス・ザ・ウィナーズ」などは、アナログなので、今回はパス。仕事部屋にあるのは、BOSEのウェーブCDなので、LP(アナログレコード)は聞けないからだ。
ほかにも、「AN EVENIHG WITH ANITA O'DDY」(イブニング・ウィズ・アニタ・オデイ)、「AT MISTER KELLY’S」(ミスター・ケリーズのアニタ・オデイ)、そして、「ANITA SINGS THE MOST」(アニタ・シングス・ザ・モスト )などが好きだ。
中でも、56年に録音された「アニタ・シングス・ザ・モスト 」は、大好きな1枚。バックも名人揃い。オスカー・ピータソンのピアノ、ハープ・エリスのギターのソロも小気味よい。有名なスタンダードばかり集められているけれど、それだけに実力が問われる。ビリー・ホリディの歌う「ゼム・ゼア・アイズ」がすごいけれど、ここではどうかとなと比較されますからね。で、1曲目は、急テンポから、途中でテンボを落して歌うメドレーで、「ス・ワンダフル~誰も奪えぬこの思い」から始まり、ラストは「魅惑されて」(Bewitched)まで。昔から、ぼくはこのラストの曲が好きです。ハスキーな味わいに、粋なフェイク。難点はジャケットがね、ヴアーヴの彼女のジャケットは、いまひとつだなー。
JAZZ映画の傑作のひとつ、「真夏の夜のジャズ」では、タイトな衣装に、粋に帽子を被り、ほんとうにソフィスケイトされて、クール!な彼女が拝めます。彼女のほかにも、観客のお洒落ぶりが、いまでも新鮮。’58年のニュポートでの一コマ。「ティー・フォー・トゥー」(二人でお茶を)では、バックとの即興での掛け合いが面白い(「ミスター・ケリーズのアニタ・オデイ」、同曲が収録されていますが)ですよ。
原稿の合間に、これも気分転換。好きなことは、スラスラと書けるけど、皆さんは退屈されたかもね。華光誌は、まあ順調。どうにか原稿揃ってメドは立ちました。むしろ、減らさないといけないかもね。
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