『キンキー・ブーツ』と『フラガール』
さて、映画ネタ続きますが、ご容赦ください。
日本映画では、「フラガール」も悪くなっかったですよ。炭鉱が斜陽となるなかでの、東北の炭鉱町に、ハワイを造ろうという、ウソのような実話(常磐ハワイアンセンター設立の物語)。昭和40年のこと。そう遠くないですね。世代世代を超えて女性陣がたくましい。生活かかってますから。それに、キャラもかなりハッキリ、わかりやすく描かれていました。ちょっと安定調和気味ですが、その分、安心して観れます。けっこうおすすめかもね。いつも、マイナーな、アート系ばかり紹介しているけれど、ぼくも、少しは話題作も観ます。アカデミーの外国語部門の日本代表になったんじゃなかったかなー。
でも、これ以上によかったのが、「キンキー・ブーツ」。直訳すれば、変態ブーツ、女王様ブーツという、ド派手なもの。舞台は、イギリスの片田舎。昔ながらの手仕事での紳士靴の町工場。父の急死で、渋々、社長になってみると、時代の波に乗り遅れて倒産状態。保守的な片田舎での、起死回生の一発は、ドラッグ・クィーン御用達の女王様ブーツという、隙間産業で生き残ろうと、ミラノでのショーを目指すといううもの。モチーフは実話なんです。これが、かなりよかった 。ぼくの琴線に触れて、なぜか、涙腺がゆるみがち。UK製のこの手の、ダメ人間(男)が、成長する、ハートフルで、しかもコメディー路線が、大好きですね。主人公のみならず、腕っぷしの強い、黒人のオカマさん自身の成長物語でもありました。
シリアス度も高いけど鉄鋼不況のなかで逞しく生きようとする佳作「ブラス」や、涙ぐましいほど、真面目で、おかしい男性ストリッパー「フルモンティ」、そして、美容室の再建をめざす、「シャンプー台の向こうに」などの系統のイギリス映画、文句なく好きです。
今回も、イギリスの社会状況をうまくとらえている。ドラッグ・クィーンたちのおバカぶりもそれなりによかったし、音楽もお洒落。別に観てきた家内は、サントラまで買うほど、ハマリぶり。
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