『玲玲(リンリン)の電影日記』
今週は、火曜日に京都シネマで2本観た。今月は、京都シネマが多くて、明日も2本の予定なので、ここだけで、10本になる。まず、朝10時から1本。次の映画まであまり時間なかったので、お昼は簡単に済ませて、2本。たまたま文革を挟んだ中国映画だった。家族がテーマという点では、タッチもかぶってはいた。
まず1本目は、『玲玲(リンリン)の電影日記』(78本目)。邦題、ちょっとね。原題は『夢影童年』。いわば中国版『ニュー・シネマ・パラダイス』の触れ込み。『ニュー・シネマ・パラダイス』は、今年1月に、ダイレクトプリントの上映をみたけれ、世間の評判ほどはマアマアという感じ。甘すぎだ。
で、最初はちょっと謎ときみたいになっている。映画好きの田舎出身の青年が、積んでいたレンガに自転車でぶつけた時、いきなり、見ず知らずの若いきれいな女性にレンガで殴られ、自転車も壊される。警察の捕まった女性。謝罪どころか、涙を流して彼女の部屋の金魚の世話を頼まれ、彼女のマンションに入ったら、そこはミニ・シアター。彼女の日記を青年が読むことから物語が始まる。
舞台は、72年の文革期の、炭鉱の田舎街。テレビもラジオもなく、仕事を終えて野外映画を観ることが、唯一娯楽の時代。女優をめざす美麗な女性が、私生児(玲玲)を出産するのだ。母を支えたのが、映画。そして、小学校になった娘と、おかしな、しかし家族の幸せ薄い兄貴分小兵との出会いと別れ。母と娘を支えた、映画技師との母のロマンス。新しい家庭と、嫉妬。さらに大きな悲劇から、和解へと、やさしいタッチで進みます。
新しい父と異父弟の母の溺愛と、彼女の嫉妬、さらに悲劇の場面に心引かれたかな。ただし、強引な展開で、「なんでやねん」と突っ込みたくなるほどの都合がいい出会い(「これまでは映画のような出会いはなかった」とセリフでいわせているね)、「なぜそんな優雅に暮らせていたの」なんと、疑問も多いのですが、そんなことは目をつぶると、けっこうウルウルさせるかも。欲を言えば、彼女の受けた心の傷に、もっと迫っていくと深みが出たかもしれないな。
| 固定リンク
「映画(アジア・日本)」カテゴリの記事
- 映画「千夜、一夜」を新潟で見る(2022.10.24)
- 映画『名付けようのない踊り』(2022.02.09)
- 濱口竜介監督『ハッピー・アワー』(2022.01.06)
- 今年211本目は『CHAINチェイン』(2021.12.30)
- 終い弘法(2021.12.22)
コメント