聖典講座・真身観(2)「念仏衆生 摂取不捨」
(二)次に、無量寿仏の光明についてである。 「また八万四千のすぐれたお姿があり、その一々に八万四千の細やかな特色があり、その一つ一つにまた八万四千の光明がある。 その一々の光明が、十方世界をくまなく照らし、念仏の衆生を摂取不捨してくださる。その光明・相好・化仏の詳細は説き尽くせないので、心眼を開いて明かにすべしだ。」 ここで大切な御文が、 「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」 (光明はあまねく十方世界を照らし、念仏の衆生を摂取して捨てたまはず) である。これは浄土門の教えでは、金言といっていい一文だ。「空で覚えてください」と皆さんに申した。 「摂」は、多くのものを取って離さない。「取」は、しっかりもって離さない。「捨」は、持っていたものを手放すことなので、「不捨」はその強調の否定である。要するに、念仏する衆生を大悲の光明に摂め取り、決して捨てられないのが阿弥陀様のお救いだという「摂取...
| 固定リンク
|